ベッドの傍に据えられた母親の化粧台に手を伸ばすと、メグは山羊革の柔らかな手袋を右手に填め、
友の頤を軽く掴んだ。 そのまま唇を親指で辿りながら、耳元に囁く。

「ねえ、ほら…これがあなたの『音楽の天使様』の手だと想像してみて…。」

びくり、とクリスティーヌが跳ね起きようとするのを半ば己の身体で押さえ込むようにして、
メグは頤から耳朶、首筋、胸元へと手袋に 包まれた愛撫の手を滑らせていく。

「あっ、あっ…ダメ、駄目…っ…」

悲鳴のような声を漏らしたクリスティーヌの、散々に嬲られて鋭敏になった胸先の凝りを
革手袋の指先が摘むと、がくがくと半ば浮いた 腰が揺れた。

「どうしたの、急に…凄いわ。」

先ほど僅かな湿り気を帯びていたその場所は、もうしとどに濡れて下着を張り付かせ、
メグの左手の指をも濡らし始めていた。

かるく左手の指先で引っ掻くように濡れた布の上から刺激を与えながら、
革手袋の右手はクリスティーヌの肌を戦かせながら背筋を、 脇腹を、艶やかな白い下腹をなぞり太腿を這う。

「嫌、怖い…天使様、もう許して…。」

熱に浮かされたように喘ぐクリスティーヌは、だがもうシーツに染みを作り始めていた。

「クリスティーヌ、素直になりなさい。女の子ならこうなって当たり前なのよ。悪い事なんかじゃないわ…。」

優しく耳朶に吹き込んで、メグはもう用を為さない下着を取り去った。

山羊革に包まれた人差し指の先が、緩み始めた膨らみの割れ目を緩慢に擦り、
その前の敏感な球を包んだ肉莢に甘やかな振動を 送り込む。

「ああ、あっ、変、変になるっ…」

悲鳴を上げて裸足の爪先をぴん、と突っ張らせたクリスティーヌの合わせ目からは
どっと蜜が溢れだし、革に染み込んだ。

「ほら、感じて…その人の指があなたのココをやさしく撫でてるって…」

膨らみ始め、肉莢から顔を出し始めた芯を、濡れた革がゆるゆると愛撫する。

「ひぅっ…あっ、あっ、駄目っ、もう、やっあッ、────ッッ!」

初めての高みに押し上げられた身体はびくびくと痙攣し、しばらく震えた後にぐったりと力を抜いた。


下腹を貫いた凄まじい快美感の余韻にぐったりしているクリスティーヌを、再び強烈な快感が襲った。

「ひゃあんっ!?」

目を見開くと、自分の白い太腿をさらりと鮮やかな金髪が掃いて、メグの愛らしい顔がその狭間に伏せられていた。

「メグ…っ!駄目、そんな…あーっ…」

「どうして?あなたのココ、素晴らしく綺麗よ。隠す事なんてないわ。」

まだ余韻に震える快楽の中心になる粒に、メグは濡れた舌先を押し当ててゆるゆると擦った。

溢れ出てくる蜜を、わざと仔猫のようにぴちゃぴちゃと音を立てて舐める。

啜り泣くようなよがり声を洩らし始めたクリスティーヌが感じきっている事は、そのとめどない溢れ方で判った。

痛みを与えないように慎重に指を浅瀬に潜らせ、舌の動きと共に動かす。

しゃくりあげるような切羽詰まった声と、ぐっと力が籠もって緊張した腰が、
クリスティーヌの二度目のその時も近い事を知らせていた。

クリスティーヌが上り詰めた、と思ったその時に、メグの舌と指先は同時にその動きを止める。

達し掛けた感覚を半ば引き戻され、無意識にクリスティーヌが切なげに喘いで腰を捩った。

幾度か同じ事を繰り返し、絶頂の直前で引き戻されるうち、とうとうクリスティーヌが切ない哀願を洩らした。

「ああ…もう、天使さ…メグ、もう止めて…」


「止めてしまっていいの?」

意地悪く聞かれて、クリスティーヌがまた涙を零す。

「違うの、止めないで…判らない、ああ、ちゃんと最後まで…」

「良くできたわ、クリスティーヌ。判ったでしょう?あなたも天使じゃなくて女の子ですもの、
こうやって欲望を持っているのよ…そして それは、当たり前だし普通の事だわ。」

愛らしい親友の涙を唇で拭ってやると、メグは最後の指示を下した。

「ちゃんと最後までして終わりにして上げるわ、
その代わり、その間あなたの『音楽の天使様』をあなたの頭の中で歌わせて。」

「こんな…時に?あ、んっ…」

再び蠢き始めた舌に脳裏が痺れるようになりながらも、クリスティーヌの記憶はやすやすとあの「夜の調べ」を思い起こした。

あの低く甘く、包み込むような歌声が、再びクリスティーヌの魂を高く突き上げる。

そして腰に回された力強い手、頬に触れたシャツの感触と、森林を思わせる男性らしい微かなオードトワレの香り…。

記憶の中の歌声と、今身体を掠っていこうとする痺れるような甘い快楽がシンクロしたとき──
限界を超えた快感に、クリスティーヌの 目の前が真っ白に炸裂し──なにも判らなくなった。



しどけなく正体を失ったクリスティーヌの様子に、メグは満足げに微笑んだ。

「…判って貰えたかしら?…この手袋は、ばれないように始末しなくちゃ…。」


汗に濡れた身体を甲斐甲斐しく拭って寝間着を着せ付けてやっていると、ようやくクリスティーヌが目を開いた。

「メグ…。」

「しーっ、母が戻るのは昼近いわ。明日まではゆっくりお休みなさい。」

クリスティーヌの唇が、微笑みを形作った。

「メグ、まだ怖いけど…私にも、自分の内にあるものが判ったと思うわ。私、アミンタを歌えるわ…。」




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