114 :名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 01:25:28 ID:+f1c69lo

「なぜ?」

ずた袋をかぶった少年は私の手をふりほどく。

その力の強さで彼が、大人の男ひとりを手にかけたことを思い出す。

目の前で人を殺めた少年を私は手をひき、オペラ座の地下へ導いた。

自分自身にも問いたい。何故私は彼の手をひいてここまで来たの?

・・・そう、少年の肩がとても冷たそうだったから。

私は何も言わず自分のケープをほどき彼にさしのべる。 

細く幼い手がそおっと伸びてきてそれを受け取ると

小さく「ありがとう」とつぶやき、

袋越しの瞳が揺れたと同時に彼は倒れこんだ。

 
 
「貴方またいたずらをしたでしょう?」

「そんな言い方をしないで欲しいな、必要なものを失敬しただけだよ」

彼女は軽くため息をつく、

目の前の少年は真白い布地を広げてなにやら採寸しているようだ。

「生地が減ったおかげでドレスのデザインが変わって、

うちの歌姫は大変御立腹なんだから。後ろで踊る私達の身にもなって欲しいわ」

「ドレスを作ったって無駄だよ、

あのおばさんのどを痛めているからね。次の新作までもたないんじゃない?

支配人に手紙を書いておいたよ、新しい歌姫を用意しておくように。とね」

「貴方にそんな耳があるとは知らなかったわ。でも支配人がそれを信じるかしら」

少年の指が生地をすべる。


彼女がその指に触れた日から幾年がたった。

最初の数週間は少年がいつ見つかりはしないかと気が気ではなかった彼女だったが

知らない間に、オペラ座の死角や仕掛けを利用し、

今では誰も知らない、彼の手による彼の為だけの部屋がここにある。

「信じなければ後悔するのは支配人だ。」

遠い国から取り寄せたという上等な生地に少年は御機嫌のようだった。

小さく鼻歌を奏でている事に彼自身は気付いているのだろうか。

彼女はその旋律に身を震わせる。

目では少年の指を追い、耳では少年の音を追う。

白く細い腕が舞うように背を向けた少年の首へ伸ばすと

鼻歌は止まり、彼女の手も止まり、少年は振り向く。

「この生地の肌触りは、あの日僕を導いてくれた君の手を思いださせる。」

黒い布を顔半分に巻き付けた隙間からは、瞳の色だけが微かに覗いている。

少年は「姉のような」彼女の手のぬくもりを求めていたが

自分から手を伸ばすこともできず、ただ彼女の手を見つめていた。

彼女はそれを察し、自分の泡立つ想いを隠す為にも

作業台に後ろ手におかれた少年の手を重ねようとした。

が、その瞬間彼女の手の中を少年の手はすり抜け、

爪だけがかすかに手の平をなぜた。

その感触によろめきそうになった彼女は小さなひざを合わせ体制を整える。

「ごめん」

少年はまた彼女に背を向けて生地をなでながらそう言った。


 本来なら自分が謝らねばならないのでは、と思いながらも

無言で生地の裁断にとりかかる様を見ていると

自分の肌をも切り裂かれるような錯角に陥り、言葉を交さなぬまま彼女は部屋に戻った。

少年が何かに没頭しはじめると言葉が届かない事は知っていたし

また自分の手が吸い寄せられるように彼の肌を求めるのではないかと

こわくなったのだ。

彼はまだ少年だ。と小さく声に出してみる。

そして殺人者・・・胸の中でつぶやく。

あの日見た、少年の痛みと悲しみと苦しみに満ちた歪んだ顔を思い出そうとしても

蘇るのは小さな手の冷たさと、耳の残る彼の音、

生地をすべる指を思い出し、自分の肌に触れてみる。

あの上等な生地の方がもっとやわらかかったような気がして

少年にその事を知られなくて済んだ事に安堵しながらも

あの生地に近い部分はないかと自分の身体を探る。


腕から肩、肩から鎖骨、鎖骨から首、

バレエで鍛えた自分の身体を誇りにさえ思っていたはずなのに

女性らしいやわらかさに欠けているのではないか。

彼女はそんな事を感じながらも首から胸にかけて撫で、

わずかについた脂肪を確かめるように触れ、

手の平をかすめた少年の爪の感触を思いだし、指をたて爪でなぞる。

そのふくらみの頂にある隆起は爪が触れる度に

赤く、固くなるにしたがい次第に彼女の爪はそれの中心をなぞり

つねるように刺激を与えてゆく。

「あぁっ・・・ん」

他のダンサーも休んでいる大部屋だ、

まだ起きているも者もいるかもしれない事を思い出し、

漏れた声が寝言のように聞こえるようわざと大きく寝返りをうった。


友人達の寝息が重なりあう中、今だ彼の鼻歌が体の中で響いている。

敏感な頂に触れたからだろうか、その音はより強くへその下をくすぐる。

細くしなやかな右手は割れた腹筋を這い、へそを通りその下で止まる。

彼女は深く長いため息をひとつつき、己の足の間に手を差し入れる。

固いももの筋肉と湿り気を帯びたやわらかい綿布が手を包む。

手を開くように親指を動かすと、布越しに溝があるのがわかる。

その溝を深く割るように手をくいこませ、再び親指を動しながらこする。

何かがじんわりと内側から染み込み、布を濡らしてゆく。

彼女はその濡れそぼった綿布のわきからするりと指を滑り込ませた。

布越しに触れていた溝の奥には花弁があり、

その近くに隠れていた小さな芯芽に触れては、花弁の更に奥がきゅうっと伸縮し、

二つのひざを強く重ね、身をよじる。

「はぁっ・・・っ」

布団に強く顔を押し付け、

熱くなる頭の中では、少年の指は布ではなく自分の肌をなでている。

親指の爪で芯芽をかるくひっかきながら、

花弁の奥をくちゅくちゅと抜き差しする中指の動きが、もどかしくも早くなる。

「んんっ・・・あっ・・・ん」

膣肉が止まった指を飲み込もうとひくひくうごめくと同時に

少年の声が聞こえたような気がした。

・・・ごめん・・・




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