指を鉤にして、彼女の粘膜をこする。

浅く、深く、抜き差しを繰り返すたび、クリスティーヌの口から甘い喘ぎ声が上がり、

熱い吐息とともに車内を満たしていく。

肉芽は、私の愛撫によって硬く尖り、指の抜き差しの合間そっと触れるだけで快感を生み出しているらしく、

押したり捏ねたりするたび、腰を捩って悦ぶのだった。

幾度、抜き差しを繰り返しただろうか、「あぁ……、もう、だめぇ……っ!」という降伏の合図とともに、

彼女の内襞が強く私の指を締め付け、彼女の頭が大きく仰け反って、彼女が達したことを私に知らせた。


「指だけで逝ってしまったのかね? それもこんな馬車の中で……。なんて淫らな娘だろう、おまえは……。

あんなにはしたない声を上げて、御者にも聞こえていたろうね……?」

「うぅ……」

意地の悪い言葉で彼女の羞恥心を煽ってやると、果たして、達したばかりの彼女の肉襞がきゅっと締まった。

「おや、意地悪を言われて感じてしまっているのかね? どこまで淫らなんだろう、おまえは……。

それでは、指だけでは物足りぬであろう?」

「ああ……、いや……、そんなこと……」

肉襞が大きくうねる。

「ふふ、口では殊勝に、そんなこと……などと言っているが、おまえの下の口はどうやら指とは違うものを

入れてもらえると思っているらしいな?」

「あっ、ああ……! ち、違いま……、うぅ……」

強い力が指を締め付け、愛液が指を伝って零れ落ちた。

「違わないだろう? 逝ったばかりだというのに、こんなに私の指を締め付けて……。

クリスティーヌ……、こんなに蜜を垂らして、期待しているんだろう?」

「ああ……、いやぁ……」

「さぁ、おまえの欲しいものをあげるから、何が欲しいか言ってごらん」

「……そんなこと、言えない……」

「言わなければ、このままだ」

「あぁ……、」

「さぁ、小さい声でいいんだよ、言ってごらん」

最後は、宥めすかすように優しく言ってみる。

「……あの、……その、……マスターの……、……」

「私の、何だね?」

「……マスターの、いつもの……」

「いつもの、何だね? はっきり言わないと、ずっとこのままだよ」

「……マスターの、……お、おき…のが……、ほ、しい……、の……」

自分が口にした言葉のいやらしさに羞恥を感じたのか、言い終わらぬうちにふたたび肉襞が大きくうねり、

蜜を吐き出す。


「ふふ、よく言えたね、では、おまえの望むものをあげよう……」

そう言いながら、クリスティーヌの蜜壺から指を引き抜くと、クリスティーヌの臀から大腿のあたりに手を掛け、

私と向かい合わせになるように身体の向きを変える。

サテンのオーバースカートからのぞくシルクファイユ・モアレのプリーツスカートが膨らんで彼女の秘所を

隠すのを手でどかし、上から結合部が見えるようにする。

クリスティーヌの視線がちらりとそこを掠めると、さっと目を背けた。


とうに大きく屹立していた己自身を取り出し、彼女の入り口にあてがう。

わずかにのめりこませると、「くっ……ぅぅ……」と、異物を埋め込まれる快感に喘ぐ。

「さぁ、おまえの恥ずかしいここが、私のものを呑み込むところを見てごらん」

「いや……、」

「見ないのなら、これ以上はあげないよ」

「……くっ、……」

「さぁ、目を開けて……」

快楽と羞恥とでやるせない表情をたたえた顔を向けて私を見遣る。

眸はこれ以上の屈辱への許しを請うように上目遣いになっており、それが却って私の劣情を煽る。

彼女はそれを知ってか知らずか、ひとすじ涙を零し、さらに私の劣情に火をつける。


「ごらん……」

「くっ、ぅぅ……」

腰を前に進め、己を彼女に埋め込んでいく。

「あっ、ああ……、いやあ……ぁぁ……」

彼女にこの淫らな光景をじっくりと見せるため、わざとゆっくり腰を進めていく。

大腿を震わせながら、私の熱量を呑み込んでいく。

「ああ……ん、」

唇を戦慄かせて羞恥に震えているのに、入り口からは蜜が溢れ、眸は涙のせいだけではなく潤んでいる。

「あっ、ああ……!」

ようやく根元までを埋め込むと、彼女からひと際高い声が上がった。

仰け反って椅子の縁に掛けている両手を掴み、私の肩に導いてやる。

私の首に両腕を絡めると、クリスティーヌが耳元で「お願い、マスター、もう許して……」と囁いた。

「許して、とは? 我慢ができないということかね?」

そう嘯くと、下から腰を突き上げるようにして彼女の最奥を抉る。

「ああっ! ああ、いやぁっ!」

彼女の悲鳴にも似た喘ぎ声にも容赦なく突き上げる。

突き上げながら、彼女の腰を掴んで激しく揺さぶる。

突き上げるたび続けざまに上がる啼き声が、私の耳の奥と征服感とを満たしていく。


次第にクリスティーヌの声が掠れ、深い愉楽の水底をたゆたっているように、目を瞑ったまま

私にしがみついて、自ら腰を振るようになっていった。

胸元から手を挿しいれると、固いコルセットの生地を押し上げるようにして乳首が硬く立っており、

それをそっと摘まんでやると、入り口がぎゅっと締まった。

肉芽が私の下腹と擦れるように押しつけてやりながら刺激すると、やはりその度入り口が締まり、蜜を吐き出す。


息遣いとも喘ぎ声ともつかぬ声を上げているクリスティーヌの口を、己の唇で塞ぐ。

舌を挿しいれ、歯列の裏を擦り、彼女の舌に絡め、唾液を流し込む。

嚥下しきれなかった唾液が彼女の顎を濡らし、汚れた顎に虚ろな眸で私を見ながら腰を振るクリスティーヌが

あまりに淫らで、かつて天使だった彼女をもっともっと汚し、私だけの色に染めたいと激しく思う。


互いに見つめ合ったまま、激しく腰を揺さぶり続け……、そして彼女の眸に光が消え、激しく唇を戦慄かせた瞬間、

彼女が二度目の絶頂を迎えた。

私の首にしがみついたまま、背を弓なりに仰け反らせ、さらなる快楽を得ようと腰を廻しながら私の下腹に

押しつける。肉襞がうねり、私自身を締め上げる。

奥へと搾られていくような感覚に、爆発を我慢するのが精一杯だった。


幾度もやってきているらしい絶頂の波に、その度頭を仰け反らせ、甘いよがり声を吐き出し、腰を押し付けてくる。

こうして、私との交わりでこれほどに感じ、淫蕩さを見せてくれるクリスティーヌを誰より愛しいと思う。

大きく息をしながら、どうにか息を整えようと努力している彼女の、開いたり閉じたりしている唇を見ながら、

このまま私たちふたりのほかに誰もいない世界で暮らすことができたらどんなにいいだろうかと考える。

しかし、こんな風に私に心と身体を預けてくれる彼女の姿を目にするのは、あともう何回もないのだ。

私は、私が決断した通り、近いうちに彼女を地上に、本来の彼女が居るべき光のもとに返す。

彼女がいなくなった後の私の世界は、一体どれほど暗く惨めで哀しみに満ちているのだろうか……。



ふたりがようやく身支度を整えた頃、馬車がオペラ座裏に着いた。

御者が気をきかせて遠回りしてくれたことは明らかで、私は法外なチップを御者に与えると、

彼の目からクリスティーヌを隠すようにして馬車から降ろし、スクリブ街に面した出入り口から地下へと戻った。


地下でマントを脱ぎ、彼女のコートを脱がせてやると、それまでずっと黙ったままだったクリスティーヌが、

恥ずかしそうに笑いながら、「あの……、お出掛け、楽しかったわね?」と言った。

「そうだな、またいつか一緒に行こうか」と答える。

そのいつかはもう来ないだろうと思いながら……。




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