180 :ファントム×踊り子(新月の夜):6:2005/10/08(土) 22:35:35 ID:YP+tpxeF

乳首をしぼり出されるように乳房を揉まれ、快感に身を捩ったところで乳首を摘ままれた。

「ああぁ───っっ!」

鋭い快感が背筋を貫き、思わず背が仰け反った。

このまま、こんな風に犯されるのは嫌……。

頭の上でまとめられ、男に掴まれていた手を力いっぱい振り上げた。

両手が男の手からはずれ、仮面にあたる。

けれど、己の手に革の硬い感触が残っただけで、仮面がはずれることはなかった。


しかし、その愚かな行為は男を激怒させるに充分だった。

男が私に圧し掛かり、首に手を掛けた。それほど力が掛かっていないように思えるのに

息が苦しくなってくる。気が遠くなる。遠くなっていく意識の中で、男が私から離れた、

と思った刹那、下着を剥ぎ取られた。

「……!」

叫んだと思ったが声が出ない。足首を掴まれ強い力で上に拡げられた。

身体を動かす力すら出ない。

あっという間に手首も掴まれ、足首と手首とを紐でくくられる。

折られた膝と肘とをくくられる。その紐のまま乳房の上下にも紐を掛けられた。

猿轡も咬まされる。


まだ、男の人も知らないのに、私は正体の知れない男の前で、

まるで自分で足首を持って脚を拡げているような格好で恥部を曝け出し、

そこを隠すことも身を捩ることすらもできない。声を上げることもできない。

ただ、涙を流すだけ……。


男がぞっとするような冷たい眸で私を見下ろしている。

男の眸が私の顔、しぼり出されるように縛られた乳房、拡げられ、

なかまで曝け出している恥部……と視線を動かしていくのがわかる。

暗く冷たく、蒼い炎が燃えているのではないかと思うような酷薄な眼差し……。

むしろ好色な目で見られた方がずっとましだと思うような視線……。


男が口を開いた。

「女という生き物はどうしてこう自分勝手な都合ばかり……、

ひとの気持ちを慮るということを知らない……、それでいて己の欲望には忠実で……、

責任ってものを知らない……、あの人もそうだった……」

独り言のようにぶつぶつと口の中で呟いていたかと思うと、

今度ははっきりと「おまえもだな」と私の目を見て言った。


ふたたび乳首を摘ままれる。

「んんっ!!」

紐でくびり出されるようにされて敏感になっているのか、さっきよりずっと鋭い刺激が

脳天に突き刺さる。

こりこりと捏ねくられ、もっと強い刺激に腰がうねる。

やめて欲しくて、許して欲しくて、涙を流して男を見る。

しかし、男はちらりと私と視線を合わせると、摘まんだ乳首を引っ張り上げ、

さらにこりこりと捏ねくった。

「んん──っ、んんっ、ん……」

惨めで恥ずかしくて、なのに、今の私にできることは、ひりつくような快感に涙を流し、

身をくねらせることだけ……。


男が秘裂に手を伸ばす。

「泣き叫んでいる割にここはもうびしょ濡れじゃないか……、

ふっ、この間もずいぶんと濡らしていたが、どうせ覗いているときから

びしょ濡れだったんだろ? 女などそんなものだ……、」

「んん……」

男の指が敏感な粘膜の上を滑るようになぞっていく。

鋭い快感が腰のあたりを直撃し、思わず腰がうねってしまう。

腰をうねったと同時に、紐が肌に喰いこみ、痛みが走る。

「んんっ」

「動かすと却って締まるぞ……、インド仕込みだ、そう簡単にはずれはしない」


脚を閉じることも叶わず、秘裂を何度も往復する男の指の動きに翻弄され続ける。

指が滑るたびくちゅくちゅという耳を塞ぎたくなるような音がし、

そこだけ自分の身体ではないみたいに過敏になっている秘唇が

紅い粘膜を曝け出してめくり上がっているのがわかる。

男の指でひと撫でされるだけで、こみ上げるような快感が生まれ、

紐が喰いこむのもかわまず背を仰け反らせてよがってしまう。


秘唇を弄られているだけでも充分に身体中が切ない快美感で溢れかえっているのに、

今度はクリトリスを摘ままれた。

甘く、疼くような戦慄が身体を貫く。

「んんっ!!」

男が相変わらず氷のような眸で私を見下ろしている。

それでいて、指の動きだけは、それだけでいつも女を征服しているように

適確に私を責めてくる。


クリトリスを摘ままれ、捏ねくられ、擦られ、紐が喰いこむのがわかっているのに、

快感に身を捩ってしまう。

腰が跳ね、うねり、あの部分からは恥ずかしいものが溢れ出てしまう。

「んんっ、んんっ……!」

助けを求めて泣いているのか、快感に喘いでいるのか、もう自分でもわからない。


そこに指を入れられた。溢れた愛液を塗りたくられたクリトリスを弄られながら、

膣口をかき混ぜられ、突き刺さるような快感が全身を貫く。

「一本にしておくか」と呟きながら、男の指がゆっくりと奥へと入ってきた。

かすかに痛みはあるが、それよりも息が詰まるような感じが恐ろしい。

男がゆっくりと指を引き抜き、また埋め戻す。

掻き出された愛液がぐちゅぐちゅと音を立てる。

幾度か抜き差しされたあと、不意にクリトリスを弾かれた。

「んん───っ!!!」

私は男の前で泣きながら、そして下からも愛液を溢れさせながら達した。


一度達した後も、男は私を許してくれることなく、ふたたび乳首を捏ねられ、

クリトリスを弄って逝かされた。

その次には、最も触れられたくない後ろも弄られた。

私は……、私は後ろを弄られ、あっという間に達してしまった。

「こんなところも感じるのか、淫乱だな……、本当に初めてか?」

と男に罵られ、その恥ずかしさが冷めやらぬうちに前に指を入れられ、また達した。


気づいたときには縛めを解かれ、男のシャツを掛けられていた。

「まったく良く逝く女だな……」と装置に腰掛けた男が言う。

情けなさと惨めさで泣き始めると、

「男の怖さがわかったか? これからは自分の都合だけでものを言わないように

 気をつけるんだな……、相手が男でも女でもな」と男が諭すように言う。

「さぁ、さっさと着替えて戻れ、夜が明ける」

のろのろと立ち上がって衣服を身に着ける。

縛られていたせいで手足が思ったように動かない。

背中のボタンを留められずにいると、「ちっ」と舌打ちして男がボタンを留めてくれた。



あれから、二年が経ち、私は昨日オペラ座を去った。

あの後、何度も調光室に行ってみたが、ついぞ男の姿を見たことはなかった。

しかし、昨日の朝、枕元にあった朱色の……、紅茶色のバラをくれたのはあの男だったと思うのだ。

バラに結わえられた黒いリボンには、小さなブローチが留めてあった。

それは、あの折に着ていたブラウスに縫い取りしてあったのと同じ、すずらんの形をしていた。

バラを抱きしめて、私は初めて男を想って泣いた。

自分の初めてをあの男に捧げられなかったことを悔やんで泣いた。


そのブローチをつけて、私はいま、祭壇へと向かっている。




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