「いいんだな・・・?」

「やだ、やだ・・・、やめて、マスター・・・、おねがい・・・」

これほどまでに感じているのにまだ抵抗する彼女が悔しくて、

シーツに投げ出されたクリスティーヌの腕を掴むと、

彼女の手の甲に己の手を重ねて秘所へと持っていった。

彼女の指を己の指で押し、その細い指先で自分の突起に触れさせる。


「いやあっ!」

自分で自分の肉芽を弄らされてクリスティーヌが屈辱に泣き叫ぶ。

必死で指をはずそうとするのを己の指で掴み、細い指先を突起の中心にあてがうようにした。

ゆっくりと捏ねるように円運動を与える。

「ひぃっ・・・!」

腰が大きく揺れる。

彼女の手から己の手を離し、腰を支えた。


しかし、私の手がはずされてもクリスティーヌの手はその秘められた場所から動くことなく、

そればかりか指先が妖しく蠢いている。

もう片方の腕を掴んで秘所へと導き、その指先で莢を剥いてやる。

「そう、いい子だ・・・、こっちでこう・・・、莢を引き上げて・・・、

そっちでそこを・・・、そうだ、・・・やはりおまえは飲み込みが早いな・・・」

両手で彼女の手の動きを確認すると、ふたたびクリスティーヌの腰を支えた。


両肩で体重を支える格好で、クリスティーヌが己の秘所を弄っている。

初めは私に強制されたからかも知れないが、今では自ら進んでさらなる快楽を得ようとしているのだ。

「淫乱だな・・・、自分で自分のそこを弄ったりして・・・。

おまえがそこまで淫乱な娘だとは思わなかったよ・・・」

臀を掴んで前後にゆすり上げながらクリスティーヌを辱めるような言葉を投げかける。

「うう・・・」

クリスティーヌが手の動きをとめ、シーツを掴もうとした。

「だめだよ・・・、やめてしまっては・・・。さぁ、もう一度教えたとおりにするんだ・・・。

でないと、後でうんとお仕置きが待っているよ・・・」

脅すように臀を撫でながらそう言うと、彼女の手がふたたび上がり、

指先がもう一度恥ずかしいしこりを弄り始めた。

「いいよ、クリスティーヌ・・・、とてもよく締まる・・・。

いい子だったご褒美に逝かせてやろう・・・」


腰のくびれに手を掛け、大きく腰を入れた。

「ああっ!」

首だけを仰け反るように動かしてクリスティーヌが喘ぐ。

「いいか、手はそこを弄ったままでいるんだ・・・、いいな・・・?」

彼女が微かに頷いたように見えたのは私の思い過ごしだろうか。


激しく腰を突き上げ、彼女の最奥を抉る。

引き抜くときに私の柱に絡まったまま内側の粘膜までが露出するのがひどく卑猥で、

白い臀と紅い粘膜との対比がいっそうその卑猥さを際立たせている。

突き上げる動きにふたたびなかに戻される粘膜が奥で妖しくうねり、

私にしっかりと絡みついてやわやわと締めつける。


彼女が私の動きに合わせて己の突起を弄っていることは、時々私の柱に触れる彼女の指先で知れた。

これほどに私のいいつけを忠実に守り、身体中を粟立たせて感じているクリスティーヌが、

私を男としては愛してくれていないなど、どうして信じられよう・・・?


深く規則正しく抜き差しを繰り返す。

高く上がった臀がたまらぬげに横に何度も振られ、時折ぶるっと身顫いするのが伝わってくる。

吐息をつくためにわずかに開いた口の端からは涎が垂れ、

目じりから伝った涙とともにシーツを濡らしていた。

「感じているのか、クリスティーヌ・・・、涎まで垂らしているじゃないか・・・」

腰を突き上げながら言う。一瞬やるせなさそうに眸を開いたがすぐに閉じ、

暗い情念の焔が立つ陶酔境に彼女自ら沈んでいこうとしているように見えた。


いつしか両手は下に落ち、それでも肩先で体重を支えた格好のまま、

私に後ろからゆすり上げられ、クリスティーヌが唇を戦慄かせる。

入り口がきゅうっと締まった。

腰が微かに廻る。

奥がうねる。

内襞がぐぐっと狭まる。

「・・・マスター、マスターぁ・・・、マスターぁぁぁ・・・」

哀しげな声で私を呼びながら、クリスティーヌが逝った。


私を呼んだまま微かな声で「ぁぁぁ・・・」と発しながら、臀を顫わせて絶頂を味わいつくそうとしている

クリスティーヌの灼けつくように熱いそこから己を引き抜き、戦慄き顫える妻の臀に、拒絶されている夫の無念を放った。


臀を高く上げたままの格好でしばらく身悶えていたが、クリスティーヌがようやく身体を真っ直ぐに伸べてうつ伏せた。

汗ばんだ背中をそっと撫でる。シーツで臀の穢れを拭ってやった。どのみちこのシーツはもう使い物にならない。

こんなにも私との結合で感じ、私を呼びながら達したクリスティーヌが私を愛していないとは・・・。



この一週間、ほとんどクリスティーヌとまともに話もできず、彼女の口から「マスター」と呼ばれたのも本当に久方ぶりだ。

皮肉なことに、閨で彼女と繋がっている時ほど多く言葉を交わす瞬間はないのだ。


私が曲をまとめている間、クリスティーヌは一心不乱にレース編みをしていて、一体何を編んでいるのか知れなかったが、

どうやら相当に大きいものらしく、いつまでも同じようなモチーフばかり編んでいるのだった。

あるいは、単に編む作業だけをしているのであって、何かしら形のあるものを作ろうとはしていないのかも知れない。

アメリカあたりではレース編みや刺繍などの手仕事が精神衛生に役に立つとかで流行っているらしいが、

いかにも清教徒らしい莫迦らしい考えだと思う。

しかし、ことクリスティーヌに限って言えば、その細かな手仕事は愛していない夫との会話を減らし、

ひとりの退屈な時間をつぶす格好の手慰みで、おそらく気持ちを静めるのにも役に立っているのだろう。


時折、曲をまとめる手を休めて食堂に行ってみると、大抵クリスティーヌはそこでレース編みをしていて、

その光景を見ると、いつも世間並みの夫婦として暮らしているような錯覚に囚われる。

しかし、それは確かに錯覚に過ぎないのだ。


「・・・なぜ、私を愛さない」

思わず口から出てしまった言葉に、我ながら驚いた。

「愛していますわ、マスター」

歌うようにさらりと言ったクリスティーヌの、シーツに押しつけられたままの横顔が

表情ひとつ変えることのないのが悲しい。


「嘘だ。おまえは私を愛していない。愛しているのはあの男だけだ」

「・・・・・・・・・愛して・・・いますわ・・・、」

彼女がまるで己に言い聞かせるように呟き、それからゆっくりとベッドの上に起き直った。


しどけなく横座りになったクリスティーヌが乱れた髪をかき上げ、それから私の方に視線を向けた。

「わたしはあなたを愛していますわ・・・何度も申し上げたとおり。

それを信じるも信じないもあなたの問題であって、わたしの問題ではありませんわ」

突き放すように言って視線をはずす。

「・・・そんなに冷たいことを、よくも言えるものだな」

「あなたほどではありませんわ」

そう言ってふたたび私に向けた視線の冷たさといったらどうだろう。

氷の刃で突き刺すような眸をしていた。


「おまえは・・・、おまえは私の妻なのに・・・」

「ええ、ですから、愛しておりますと申し上げていますでしょう? 

それに、わたしは妻としての義務は果たしておりますわ」

「クリスティーヌ・・・!」

クリスティーヌの口から出た「妻としての義務」という言葉が私の胸を突き刺す。

私が一方的に苦しめるだけの繋がりであることは私自身わかっていたが、

それでも快感に喘ぐ彼女を見て、いつかこの繋がりで彼女の心を熔かし、

夫婦らしい営みができるのではないかと思っていた。

しかし、彼女にとっては義務でしかない。そう言われて私は返す言葉もなかった。


「・・・私に抱かれるのは義務だからか・・・、そういうことなんだな?」

「さぁ・・・」

「クリスティーヌ・・・、あれは、おまえにとって何の意味もないことなのか・・・」

「意味? 意味ならありますわ・・・。わたしは買い物をしたんですわ、

ですから、あなたはその対価を取り立てていらっしゃるんでしょう?」


クリスティーヌの言っていることがわからない。買い物とは何なのだ・・・、

対価とは一体何のことを言っているのか・・・。


「お忘れになって? あなたがそうおっしゃったんじゃありませんか。

わたしは自分のこの身であの方の命を買ったんだと・・・」

「・・・・・・」


ああ、これまで私は絶望とは何か、誰よりもよく知っているつもりだったが、

本当の絶望の淵を覗いたことはなかったのだと思い知る。

・・・クリスティーヌは未来永劫、私を愛さないだろう。

愛さないどころか、私を許さず、私を憎み続けるだろう。

彼女の口にする「愛しています」は私に対する憎悪に満ちた呪詛なのだ。


それでもいい。

憎まれてもいい。怨まれてもいい。私を呪うなら呪え。

おまえの心が手に入らないのなら、身体だけは私のものにしてやろう。

私の唇、私の舌、私の手による愛撫の味を覚えさせ、私のもので逝かされる絶頂を学ばせる。

私は決しておまえを手放さない。


「私を苦しめるとどうなるか、おまえの身体に教えてやろう」

そう言って私はふたたびクリスティーヌの身体を組み敷いた。




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