677 :
名無しさん@ピンキー
:2005/11/12(土) 08:19:42 ID:ePn92L9O
黒皮の手袋をした手が私に差し出され
その瞳が私を射るように見つめる
甘く低い声が私の名前を呼び
私はその手を取らずにはいられない
彼は私の手を握り、未知の世界へと私をいざなう
私を振り返る貴方はいったい誰?
ゆらめく蝋燭の向こうで私を待ち受けているものは何?
湖の向こうで鳴り響くパイプオルガン
歌声が私の全身を撫でていく
考えることをやめて
私を擁こうと差し出された腕に、すべてをゆだねてみようか
人形が重なり合う私達を見ている
蝋燭に照らされる私達の影はひとつになり
沈黙の中でからみあう
短い夜を惜しむかのように
オルゴールが朝の訪れを告げるまで
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