690 :楽屋にて改め木登りラウル :2005/11/14(月) 02:27:48 ID:LhYOoHNF

<ファントム>


幼なじみという男の視線にその身を晒らしたまま、私の指で果ててしまったクリスティーヌ。

半ば意識を手放している彼女を抱きおこし、乱れた髪を指で梳いてやる。

そのまま髪を片側に寄せ、白い首筋に唇を寄せた。

まだ快楽の中にいるクリスティーヌがびくっと反応する。

わずかに抗おうとする彼女を、そっと逆の方向へと押し倒していく。


荒い呼吸に上下している白い胸元が今にもこぼれ出てしまいそうで艶かしい。

肩ひもを落としてその隙間から手を差し入れると、

クリスティーヌが小さな声で喘ぐ。

彼女が再び快楽の奥底へ溺れていく姿をまっすぐに見つめたまま、

その温かいふくらみの柔らかさと、すでに固さを増した先端の触り心地を楽しむ。




――昨夜はじめて、官能の世界に足を踏み入れたクリスティーヌ。

肉体の快楽に無知で無防備なまま美しく成長した、つぼみのようなおまえを手折るのは

おまえを深く愛する私でさえ罪悪感を感じた。

こんな無垢の乙女には、もうしばらく、自ら花開くまでの時間を与えるべきだったろう。

だが、私はもう待つことができなかった。

花開く直前のつぼみは何の自覚も無いままに、すでに甘い芳香を放っていたのだから――




胸を弄ばれながら、私を切なく見つめる潤んだ眸。

絶えず甘い喘ぎ声を吐き出す、その唇。

乱れた着衣がまとわりつく、なめらかな白い肌。

今すぐ衣服を剥ぎ取り、その身体を私自身で貫き通したい衝動に駆られる。

ああ、クリスティーヌ…!


私は彼女に少々乱暴な口づけをすると、足の方へと身体を移動し、

クリスティーヌの下着に両手をかけた。

うっとりとしていたクリスティーヌが我に返り、下着を脱がされまいといじらしい抵抗を試みる。

「あ!…いや!マスター・・・ああ・・・だめ・・・!」


羞恥心に耐え切れず両手で顔を覆う愛らしい姿を眺めながら、

私はためらうことなく小さな下着を引き下ろしていった。



クリスティーヌの上に覆いかぶさると、私を責めるように見つめる彼女の眸をじっと見つめ、

その髪を、頬を優しく撫で、手をとって低い声で囁いた。

「クリスティーヌ…。昨夜は辛い思いをさせてすまなかった…。

 でももう辛いことはないよ。約束しよう。これから私がおまえに教えるのは喜びだけだ」

その指にそっと口づけし、私の頬に押し当てると、

彼女の眸から徐々に不安そうな色が消えていく。

「…本当…?」

「…本当だとも」

私の頬にある彼女の指が、優しく私の頬を撫で始める…

クリスティーヌが心を決めたのを感じた私は

彼女の頬から首筋、胸とゆっくり口づけしながら移動し、

すでに下着を剥ぎ取ったその両膝に手をかけた。



…窓の外のあの男はどこまで見届けるつもりなのだろう?



両膝にかけた手をゆっくりと押し広げ、クリスティーヌにのしかかる。

昨夜初めて私に散らされたその部分が、今日は甘くからみつくように私を受け入れていく。

その感触に全身が痺れ、しばし陶然とする。

のけぞる白い喉が艶かしい。

このまま性急に突き上げたくなる衝動を抑えて息を吐き、

クリスティーヌを見つめ、額から髪を撫でながらそっと問いかける。

「…まだ辛いのか?」

私の目を見返し、いじらしく微笑もうとするクリスティーヌ。

「いいえ…大丈夫、もう痛くないわ…」


月明かりを避けようと顔を背けたクリスティーヌの半面が、青白く照らし出されている。

おまえは私に身をまかせながら、私の視線から逃れようとしているが、

今おまえに注がれているのは私の視線だけではないのだよ――。


快楽に乱れるおまえが、どんなに美しいかあの男にみせてやるがいい。

あの男はお前を見るたびに、私の下で喘ぐお前の姿をはっきりと思い出すだろう。

その姿を記憶から消し去ることは、2度と出来ないに違いない。


愛しいお前には悦びを、私からお前を奪おうとする者には苦しみを与えよう――


私はゆっくりと彼女の身体をを突き上げ始めた。



<ラウル>


クリスティーヌの身体を開かせ、貫き、その甘い蜜の感触に包まれているだろうに、男は動かなかった。

相変わらず彼女を見つめ、何か問いかけている。

そのとき、クリスティーヌが男に向かってそっと首を振り、答えるのが見えた。

その唇はゆっくりとこう言ったように見えた・・・

「いいえ、大丈夫、もう痛くないわ」

確かにそう言っていた――。


何かで頭を殴られたようなショックを受けた。

彼女は・・・初めてだったのか?

いや、初めてであれば男の愛撫をああ易々と受け入れるだろうか―

彼女は昨夜も部屋を空けたと言っていたし―

昨夜、…昨夜?

もしや、昨夜私が楽屋を出た後で――

この男と初めて夜を?

まさか――



頭の中をまとまらない妄想が駆け巡る中、仮面の男はクリスティーヌの上でゆっくりと動き始めた。

ああ。

眸を閉じた彼女の身体が、男の動きに合わせてしなり、荒い息を吐く。

あの2人は今、確かに繋がり合い、お互いの身体で悦びを共有している…

自分を抱く男の腕に白い指を絡ませるクリスティーヌ。

顔を左右に動かすたびに、彼女の長い髪が乱れ―

その表情にはもうすでに苦悶の色はなく――すでに快楽に身を任せている―

美しい淫蕩ささえ感じさせるような、その表情――。


唇が繰り返し同じ言葉をつぶやいている。

「ああ…マスター…マスター」

彼女は何度も何度もそう呼び、そのしなやかな腕を男に絡ませる。


そう、彼女はあの男に無理矢理組み伏せられ乱暴されているわけではないのだ――

クリスティーヌは楽屋であの男を待っていた。

私や、ほかの者を全て締め出して、あの男だけを待っていたのだ。

あの男だけを。

あの男に抱かれるために――


やがて男はクリスティーヌを軽々と抱え上げると、彼女を座った自分の脚の上に載せた。

彼女は男に向かい合って座らされ、こちらに背を向けている。

脚を左右に大きく開かされたためか、

男の上から逃れようと抵抗している―?


が、男は彼女の抵抗しようとする腕ごと抱きしめてしまう。

逞しい胸に抱きすくめ、まだ何か言っている彼女に向かって口の前に人差し指を立てた。

静かに、ということか?

身体をぴったり密着させて、耳元で何か囁いているようだ―

片手できつく抱いたまま、もう一方の手でそっと彼女の髪を撫で、その髪を寄せて首筋に唇を―

彼女はそれに抵抗できない。

いや、もうすでに抵抗しようともしていない―

男に身体をあずけ、抵抗していたはずの手が男の肩に・・・


男はクリスティーヌをきつく抱きしめたまま、動き始めた――

彼女の栗色の髪が大きく揺れ、その身体が男の動きに合わせて動く。

左手はすでに男の背中に回され、右手は男のシャツを強く掴んでいる。

男の薄い色の眸は、こちらからは見えないクリスティーヌの表情をじっと見つめ続けている――


そして自分は、その身体に男を受け入れ、背中をしならせ、

乱れるクリスティーヌの後姿を見つめ続けているのだ――


自分は昨日再会した彼女に、運命的な出会いを感じたのではなかったか?

たとえ身分は違っても、彼女と過ごす未来を思って胸を弾ませていたのではなかったか?


男に擁かれた彼女の後姿が、なぜか滲んで揺らめいて見えた――





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