「あ、あの…」

白夜の廃屋にエリックの切ない息づかいが響き、それに女奴隷の涙声が小さく重なる。

女奴隷は涙をぬぐい、体をおこしそっとエリックの腕を撫でる。

「あの、申し訳ございませんでしたエリック様…」

うつむいたまま、まるで脅えるように顔を上げエリックは女奴隷を伺い見た。


「あのわたし、殿方に抱きしめていただけるなどとは初めてでございましたの… 

  決して、あの、嫌、ではございませんでした、

  驚いてしまったんですの、ですから…」


そんな女奴隷の言葉に心底驚き、己の胸にそっと両手を当て、

顔を寄せる女奴隷の背中にエリックは震える手を回した。

「お願いでございます、どうか、どうかあの耐えてみせます…

 わたしを抱いていただきとうございます…」




「エリック様…どうか仮面を取らせてくださいませ…」

女奴隷はエリックの顔に手を伸ばし─

そっと仮面をはずした。


宮廷のエリックのほの暗かった部屋では「仮面を取れ」と命令したものの

今、真正面から、明るい月の光の差し込む廃屋で素顔を女奴隷に見つめられて

エリックは戸惑いの表情を隠せず、視線があちこちに泳ぐ。

羞恥に恥じ入るように目を閉じ、真っ直ぐ女奴隷を見ることができなかった。

宮廷で「仮面を取れ」と命じ手を差し伸べた時の、恐怖に満ちた顔の女奴隷を

とてももう一度見るなどという屈辱には耐えられなかった。

エリックの閉じた目の奥で、石の破片が飛び散る光景がまざまざと浮かび上がる─


しかし女奴隷は、思慕に満ちた微笑みを浮かべ、両手でそっとエリックの両頬を優しく撫でた。

両手の指先で、エリックの顔を愛しそうに10本の指の腹を撫ですべらせる。

そして、そっと─

女奴隷は初めての口付けを、夫となるはずだった男に静かに捧げた。




「ああエリック様、は、恥ずかしゅうございます…」

「お前は綺麗だな…」

明るい月の光が差し込む廃屋の隅で、エリックは女奴隷の体を隅々まで眺めた。

上半身を豪華な宝石で飾っていたホルターも脱がし、

エリックは全裸の女奴隷の震える細い脚を大きく開いた。

未知の女の花園を舐めしゃぶり、その長い指で愛撫し、

まるで見落とす箇所や、触ってはいけない箇所などあってはならないかのように

奥の奥まで撫で眺め見つめ続けた。


包皮がかぶった状態のままの愛芽を少し強めにぐりぐりと円を描き、左右に指で丁寧に押し回す。

ようやく、ふるふると震える愛芽を指で剥ぎ晒し、まだ肌色に近いそれを出して

舌で転がしグニュッと舐め潰し、ジュルジュルと吸い出した。

自分の顔も軽く揺らし、愛芽の横から歯を軽くあてながら、

先を舌で素早く擦りつつ長い指を、少し血の滲んだ痛々しい蕾にゆっくりと沈めていった。

 
「いいっいやいや…!

  ああエリック様…!やめて、やめて、あああ…!!」

エリックはそんな女奴隷の初々しい可愛いらしい様子を

反応があるたびに嬉しそうに表情を確かめ、

満足感を味わいながらさらに絶頂に導いてやった。





絶頂の快感と羞恥に耐え切れず、女奴隷がすすり泣き始めるとエリックは

秘部への愛撫を止め、そっと抱きしめる。

エリックの手にはまだあまり余ってしまう小さな乳房を

丁寧に揉みながら片方ずつ、まだ肌色に近い淡い色の乳輪を

ねっとりとしつこく円を描くように舐めまわしチュルチュルと吸い上げる。

その間ももう片方の乳首を優しくコロコロとつまみ捏ね繰り回してやる。


エリックは震えて泣く女奴隷をさらに強く抱きしめ、耳元で

「恥ずかしいのか?こんなにも綺麗なのに?可愛いやつだな…」

と囁いた。

「ううう…」

羞恥にすすり泣きながらも女奴隷は抱き締めてくれるエリックにしがみついて、

新たな涙をこぼし始めていた。

女奴隷は男と女の交わりがこんなにも暖かく、優しいものだと今初めて知った。

物心ついた頃から、男に奉仕する為だけの訓練を受けてきたこの身だったが、

優しく撫でられた事も、思いやりのこもった言葉を囁かれた事など一度たりともなかった。

痩せ細った小さいわが身を包んでくれる硬く大きい、

初めて知る全裸の男の体の温かみ、少し汗ばんだ匂い…

じんわりとそのぬくもりを感じながらも女奴隷は

そのエリックの優しさに涙が滲み、そして深く傷ついた。


「申し訳御座いませんでした…エリック様」

「何故?何故あやまる?」




「わたし、エリック様にあまりにも失礼な態度を…」

「…いや、いや」

そう言いながらエリックは長い指先を女奴隷のそれ以上何か言おうとする

震える唇に這わせる。

悔恨の涙が流れる頬をエリックが撫でると女奴隷は、

そっとその大きな手に己の指を伝わせエリックの汗ばんだ背中に両手を回す。

同時に女奴隷は両脚をおずおずと大きく開き、エリックの腰に絡ませる。


「ああエリック様…お願いでございます、

  わ、わたしをエリック様のつ…」

その瞬間、エリックは腰を進め、再び女奴隷の中に押し入った。

「ああっっ……!」


先程とは違い十分に濡らされたそこは無理矢理ながらもエリックを柔軟に受け入れた。

エリックは激しい切ない息を吐きながら夢中で腰を振り女奴隷の両腰を掴み、

繋がったそこを欲望に満ちた目で眺めながら抜き差しを繰り返す。

激しく、ゆっくり、動かず、横に斜めに揺らし、そして深く深く…

女奴隷は切り裂かれるような痛みに耐えながらカーペットを掴み、

うわ言のようにエリックの名を呼び続けた。


「私が好きか?…好きか?」

女奴隷は涙を滲ませながら息も絶え絶えに無理に微笑みうなづいた。




膣がビクビクッと小刻みに締まりそしてドクドクと脈動するような

奥に誘導するような動きをした頃、

エリックに未知の世界での限界が訪れた。

鈍い痛みの中で温かな癒されるものが女奴隷の中に溢れた。

細いが、おそらく重く感じるであろうはずのずっしりと倒れこんでいる

エリックの体を女奴隷は離そうとしなかった。


「もう少し…もう少し、こうして欲しゅうございます…」

エリックの背中に両手を回したまま、離そうとしない女奴隷にエリックは

ただ黙ってうなづいた。


エリックが着ていた麻の外套を掛けられ、女奴隷は痛みの残る体を横たえていた。

「夜明けにはまだ時間がある。

 休んでいろ、私はナーディルが来るのを待っている。」

「はい、あの……旦那様…」


恥ずかし気にそう呟き目を閉じると、そのまま女奴隷は深い眠りに落ちていった。




「気がついたか」

「…あ…?」

気がついた時には、女奴隷はヨーロッパの使節団と共に馬車に乗せられていた。

馬に乗ったナーディルが馬車の窓から女奴隷の様子を覗きこんでいる。


「あの、エリック様は…」

「彼はもう宮殿に戻ったよ。そろそろ朝の謁見だ、時間を稼いでくれる。

 さあ出発しよう、追っ手に見つかってしまってはエリックの努力が水の泡になる。

 彼から君の事をくれぐれもと頼まれているんだ。」

寂しさに打ちひしがれながらも、下半身にまだ熱い痛みを感じ

昨夜の夢のような出来事を思い出す。

同乗している使節団に火照る顔を気付かれまいと、

着せられていたエリックの麻の外套で美しい顔を覆い目を伏せる。

馬車が動き出すと、涙がこぼれた。




ふと懐に何か重い物が入っている事に気がつく。

それはおそらく一生生きていけるほどの大金が入った財布だった。

エリックがシャーから祝儀として受け取った口紐のついた大きな財布が、

そのまま女奴隷の懐に入っていた。

しかし、幼い頃からシャーの側室となる為の奴隷としての教育しか受けては来ず、

読み書きも出来なければ、数の計算も出来ない。


金の遣い方を知らない自分がこれから先、どうやって生きていけるというのだろうか。

しかし─ 

湧き上がるエリックへの激しい思慕に止めどなく涙が溢れ出す。


もう一度エリック様に会いたい。

会ってこの想いを打ち明けたい。

あの方の妻になりたい。

たとえこの真心が受け入れられなかったとしても私は─

いや、今はそんなことは考えるのはやめよう。

何時の日か想いを打ち明け、

またあの温かい胸に飛び込んでいける時の為にきっと生きて往かれる。


その日までどんな苦労が待ち受けているのだろう?

きっとハーレムの生活よりも辛いかも知れない。

生まれて初めて、人として女として生きる目的を見い出せ奴隷から開放された少女は

清々しい気持ちで初夏のペルシャの夜明けの景色を眺めた。





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