往きと同じように窓の外を楽しそうに眺めているクリスティーヌの肩をつかんで己の方へ引き寄せる。

「マスター?」と小首を傾げるクリスティーヌに口づける。

うっとりと眸を閉じたクリスティーヌのボディスのボタンに手を掛ける。

私の動きに気づいた彼女が「マスター?」と咎める口調になりながら、私から離れようとするのを、

「いいから、じっとしておいで」と強引にボタンをはずしていく。


中ほどまではずしたところで、ボディスの中に手を入れ、コルセットのホックをふたつばかりはずす。

「マスター、いや、こんなところで……」

「静かにしないと、御者にみな聞こえてしまうよ」

「だって……」

「こちらへおいで」

と言いながら、強く腕を引っ張り、自分の膝にクリスティーヌを後ろ向きに座らせた。


オーバースカートのドレープがひどく邪魔だったが、どうにかその膨らみを潰して

クリスティーヌが私に凭れかかれるようにすると、左手で彼女の腰を抱えた。

寛げた胸元から右手を挿しいれ、彼女の暖かい乳房に触れた。

「いや……、」

「しっ、黙って……」

「ぁぁ……」

指を伸ばして乳首に触れると、彼女が小さく声を上げる。


ゆっくりと指の腹で揉むようにしながら押しつぶす。

柔らかかった乳首が次第に硬さを取り戻し始めるが、なおもゆっくりと指の腹で揉み続ける。

完全に硬さを取り戻して屹立した乳首を二本の指で摘まんだ。

「……くっ、ぅぅ……」

声を出すまいと耐えているクリスティーヌの口から小さい喘ぎ声が上がる。


こんなところで、と言っていた割には、良いようだな?」

低く耳元で囁くと、「ぁぁ……」と恥ずかしそうに身をくねらせ、彼女の頬が紅潮した。


紅く色づいた耳朶に唇を寄せる。そっと耳朶を舐め、唇で挟む。

「……ん、んんぅ……」

声にならない声を上げながら、いやいやをする子どものように首を振る。

しかし、少しばかり首を振ったところで、私の唇が彼女の耳朶から離れることはなく、さらにねっとりと

舌で耳朶を愛撫してやると、彼女の呼吸が次第に荒くなっていき、乳首はますますその硬さを増していった。

複雑な地形に沿って耳を舐め上げ、暗い入り口に舌を挿しいれる。

「あっ!あぁ……! ……んっ、ぅぅ……」

抑えきれずに声を上げてしまった己を恥じるように、彼女が声を落として喘いでいる。


「クリスティーヌ、脚を拡げてごらん」

頃合いを見計らって彼女に命じてみる。

「いや……」

「さぁ……」

優しく諭すように耳元で囁く。しかし、彼女は頑なだった。

「……マスター、いや……、こんなところで……」

彼女の抵抗を無視し、私は、彼女の大腿を下から掬うようにして持ち上げ、私の両脚に跨らせるようにして座らせた。

「ぁぁ……」

私の両膝の幅の分だけ拡げられた彼女の両脚の間に触れようと、手を伸ばしてドレスの裾を手繰り寄せる。


シルクサテンのオーバースカートをめくると、生地のこすれる音が狭い車内に響き、クリスティーヌがその身を

震わせたのがわかった。

彼女の膝に堆く載ったオーバースカートの生地越しにスカートをめくっていく。

顕わになったペチコートに手を掛けると、その上にクリスティーヌの手が重ねられ、

「お願い……、もう、許して……」と、肩越しに私の方を振り返りながら彼女が涙を零す。

睫毛に溜まった涙を唇でそっと吸いながら、私はクリスティーヌの手を載せたままペチコートをめくった。

「ぁぁ……」と、彼女が小さく声を上げて私に凭れかかり、眸を閉じた。


手を伸ばし、顕わになった彼女の大腿に触れる。

暗い車内に白く輝く彼女の滑らかな肌を見ながら、その感触を慈しむようにそっと撫でる。

ゆっくりと内腿に指を這わせていくと、「ぁぁ……、ぃゃ……」と身を捩らせながら大腿を震わせる。

脚の付け根をゆっくりと撫で、反対側の付け根にも指を這わせる。

二本の指を拡げ、焦らすように左右の付け根を往復させる。

「……っ! くぅ……っ! ……」

快感に耐えようとする息遣いをしながら、それでいて彼女の腰が男の指を快感の源泉へと誘うように揺らめく。

誘われるまま、指を中心に持っていった。

しかし、いつもなら水気を含んで重くなっているはずの下着が、今夜はそれほどでもないことに気づく。

外からは中の様子を窺えない箱馬車とはいえ、腕を伸ばせば届きそうなところに御者という他人がいる状況に

戸惑っているのかも知れなかった。


両脚を拡げているために下着を取ることが難しく、私は仕方なくその小さい布を引きちぎった。

「……ぁあっ……! いやあ……っ!」

乱暴にされると思ったのか、クリスティーヌが私の膝から逃れようと身体を起こそうとする。

「ああ、クリスティーヌ、大丈夫だから……。ひどいことはしないよ、脱がせにくかっただけだから……。

ほら、こうして、動かさないで触っているだけだろう?」

クリスティーヌの中心に右手を持っていき、そこから動かさずに中指をあてがったまま、安心させるように囁いた。


クリスティーヌの中心にあてがった指から私の体温を彼女に移すような気持ちでじっと動かさずにいると、

クリスティーヌがだんだんと腰を振り始めた。

私の指から逃れようとしているのだろうか、左右に腰を揺らめかせる。

その動きで却って粘膜を刺激してしまっているのだろう、次第に腰をまわすようにしながら、

私の指に己のそこを押しつけるように動き始めた。


指には力を入れず、彼女の動きにあわせて指も動くようにしておくと、焦れてきているのか、

だんだんと彼女の動きが激しさを増してくる。

指の下は、既に熱っぽい湿り気を帯び、花びらがほぐれつつあった。

「……ぁぁ……、ん、いや……、」

今ではもう明らかに腰をまわしながら、快感を与えてくれるはずの侵入者を求めて、焦れた喘ぎを洩らしている。


「クリスティーヌ……、焦れったいのだろう?」

「ああ……、」

口を半開きにしたまま、眸だけ上げて私を恨めしそうに見遣る。

指の下では、花びらが水気を含んで膨らみ、その下には既に熱い雫が湧きあがってきているのがわかる。

「そんなに私の指が欲しいかね?」

「ち、違……、」

「ふふ、強がりを言っているね?」

「……ぁ、はぁっ……、ああ……」

「欲しいと言ってごらん、おまえの熱く濡れたここに、指を入れて欲しいと……」

「あぁっ……、そんなこと……!」

指の下で、彼女の恥肉がびくりと蠢いたのがわかった。


「指をひとつも動かしていないのに、ここをこんなに熱くして……。

さぁ、言ってごらん、おまえの恥ずかしいここに指を入れて欲しいと……」

「…………」

「言わなければ、ずっとこのままだよ」

「うう……、お願い、マスター……、い、……れて……」

「ふふ、可愛いよ……、おまえのお願いだからね、ちゃんと聞いてあげるよ……」

そう言いながら、指を彼女の蜜壺にゆっくりと沈めていく。

閉じた花びらと私の指とに堰き止められていた愛液が溢れるように零れ出て、私の手を濡らす。

「……あ、ああっ! ああぁぁぁぁぁ…………!」

ようやく与えられた快感に我を忘れて声を上げるクリスティーヌにそっと耳打ちする。

「そんなに可愛らしい声を上げて……、御者にまで聞かせてやるつもりかね?」

「……ぁぁ、ぃゃ……、」

羞恥に紅く染まったクリスティーヌの頬に口づけを落とした。


熱く蕩けた彼女のそこからゆっくりと指を引き抜き、ふたたび沈める。

狭い車内にくちゅくちゅと濡れた音が響く。彼女の荒い息遣いと水音とが交差する。

彼女は己の頭をすっかり私の肩に預け、大きく喘いでいる。彼女の戦慄く唇と辛そうに寄せられた眉根とを

眼下に見ながら、激しく指を出し入れし、彼女の内襞を擦ってやる。

愛蜜をまとわりつかせて指を引き抜くたび、彼女の熱い粘膜が私の指にねっとりと絡みつく。

すっかり莢から芽を出した欲望の頂を親指で弾いてやった。

「……くうぅっ、……!」

耐え切れずに上げた呻き声に甘い期待が混ざっている。

右は蜜壺をかき混ぜるのに専念させ、左の中指を肉芽にあてがう。

愛液を掬って肉芽になすりつけると、ゆっくりと揉みほぐすように円く捏ねてやる。

「あっ……、はぁっ……!」

頭を私の肩に押し付け、腰を前後に揺らめかせてよがる。



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