しばらく口を噤んだまま、クリスティーヌの髪を撫でる。

どうやって彼女に償えばよいのだろう・・・。そんなことを考えていると、

私の胸に指を這わせていたクリスティーヌが、ふと思いついたように口を開いた。


「そういえば、どうしてマスターは今日だけは応えて下さったの?」

「今日だけとは?」

「昨日だって一昨日だってマスターのこと呼んでいたのに、

もうこの一週間ずっと呼んでいたのに、応えて下さらなかったじゃないの」

「そうか、そんなに前から……。 嬉しいよ、クリスティーヌ。

実は今夜初めて楽屋へ行ったんだよ。あまりに辛くてあそこへは行けなかったのだが、

今夜、第三幕のアリアを聴いたら、どうしてもひと目おまえの顔を見たくなって……」

「ふふっ、あなたのことを考えながら歌ったの、わかって下さった?」

「いや、そんな、おまえが私を想って歌ってくれるなど思いも寄らなかったから……」

「このままあなたに会えなかったら、私、きっと一生後悔するって思って、

それで、この先ずっとあなたのことを想わない日はないだろうと思って歌ったのよ……」

「ああ、私も同じことを考えていたよ……、あの日から、ずっと後悔していた……、

そして、おまえを想わない日など、いや、おまえを想わない瞬間などなかったよ」

「ふふっ、じゃあ、私たち、おんなじこと考えていたのね」


クリスティーヌがにっこり笑って私の顎を指先でつついた。

閨で睦みあいながら仲直りをするのが、こんなにも楽しいことだとは

考えたことも想像したこともなかった。


クリスティーヌがさらに言葉を重ね、私に尋ねる。

「もし、私があの時、仮面をはずしたりしなかったら、あなたはどうなさっていたの?

ずっとお顔を隠したままで私と会うおつもりでいらしたの?」

私はしばし迷ったが、自分の本当の気持ちを打ちあけた。

「いや、おまえを地上の世界に帰し、それきり会わないつもりだった……。

おまえにこの顔を見られて蔑まれるよりも、永遠におまえの中で懐かしい存在として

生きられたら、と思っていた」

「そんな……、ひどい……」

クリスティーヌの眸に涙が溜まりはじめる。


「だって、おまえがこんな顔をした私を受け入れてくれ、まして愛してくれるなど

とても考えられなかったからね……」

「マスター……」


彼女の温かい涙が私の胸に零れる。

クリスティーヌの髪を撫でながら、こう諭す。

「おまえが私を許してくれたのはよくわかったし、それはとても嬉しい。

しかしね、クリスティーヌ、今度のことで私にはひとつわかったことがある。

私がおまえに望むことはただひとつ、おまえが幸せでいてくれること……。

そのためなら、私はおまえを手放し、子爵に渡すことだって厭わないよ」

「どうして、いつもラウルなの?」と、彼女が珍しく怒気を含んだ声を出した。

「彼もおまえを愛しているから」

嫉妬していることが言葉に出ないよう細心の注意を払い、静かにそう言った。

「でも、私が愛しているのはあなただわ。

私の幸せは、こうしてマスターと一緒にいることなのよ……」

すん、と鼻をすすりながら、クリスティーヌが私の胸に頬を押しつける。

その顔をそっと上げさせ、彼女の柔らかい唇に自分の唇を重ねた。


唇を離すと、クリスティーヌが私をじっと見つめる。

彼女自身は気づいていないのかもしれないが、その眸には明らかな欲望の色があった。

「もっと欲しいのかい?」

「え、そんな……」

「おまえの目が欲しそうだよ」

「マスターのばか……」

「ふふ、欲しくないとは言わないんだね……?」

わざと意地悪を言うと、クリスティーヌの頬に血の色が差した。

「こうして欲しいんだろう?」と言いながら、彼女の乳房をゆっくりと揉みはじめる。

「あぁん……、」

「やっぱり欲しかったんじゃないか……」

「ん……、マスターぁ……、すき……」

「私もおまえが好きだよ……、好きなんてものじゃない、自分でもどうしようも

ないほど、おまえが愛しくて愛しくて堪らない……」

「あぁん……、マスター、私も……」

クリスティーヌが私の背に手をまわしながらそう答えてくれた。


左脚を彼女の両脚の下に挿しいれ、右脚を覆いかぶせるようにして彼女の両脚を挟み込む。

乳房を揉みしだきながら、乳首を摘まみ、こねくってやる。

あっという間に硬さを取り戻した乳首が私の指に摘ままれて顫え、

腰を捩ろうとするクリスティーヌの両脚は、私の両脚に挟まれて

その動きを封じられている。

「あっ、ああっっ……! あぁん、マスター……」

「そんなに動かず、意識を集中してごらん」

そう言いながら、尖った乳首に口をつける。

唇で挟むようにしながら、舌先でちろちろと頂を刷いてやる。

「あっ、ああっ……! やあんっ!」

私の脚の間で、彼女の脚が突っ張るのがわかる。


乳房から腰、腰から臀へとゆっくり手を滑らせていく。

臀にたどり着くと、そのままゆっくりと臀を撫でる。

「ああ……」

乳首を吸われながら臀を撫でまわされ、私の背中にまわされた彼女の腕に力が入る。

乳首から唇を離し、己の手を追うようにして、わき腹、腰、臀へと唇を這わせる。

クリスティーヌの身体を裏返し、可愛らしい臀に何度も口づける。

「あぁ……ん、マスター……、は、恥ずかしい……」

臀肉を撫でまわしながら何度も唇を寄せると、そのたび、クリスティーヌの身体が

ぴくんと反応を返す。

「ああ、おまえの身体はどこもかしこも可愛らしいのだな…、こんなに感じて……」

「あぁん、マスターぁ……」


「エリックとは呼んでくれないのかい……?」

うつ伏せになった彼女の腰に手をまわし、臀を持ち上げながら問う。

「あぁん、いやぁ……、エリックぅ……」

甘い喘ぎ声とともに私の名を呼ぶ彼女の、花弁の合わせ目にそっと指を這わせる。

「あっ、ああっ!」

すでに溢れている愛蜜が、指に沿ってとろりと流れ出す。

「可愛いよ、クリスティーヌ…、こんなに濡らして……」

「あぁん……、恥ずかしいことばかりしちゃ、いや……」

「どうして? おまえは恥ずかしいことされるのが好きだろう?」


脚のつけ根を指でなぞりながら、ぽってりと紅くめくり上がってきている花びらに口づける。

「あっ、あぁ……ん! そんなこと……な……い……」

そう声を上げてクリスティーヌは、羞恥のためか快楽のためか、

腰をうねらせて否定してみせるが、しかし恥肉は細かくひくつき、

さらなる辱めを待っているように見えた。




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