409 :ファントム×踊り子:秘密の取引 :2005/08/06(土) 00:41:01 ID:fdgU1ioK

朝、起きると、枕元に見慣れた髑髏の封蝋の施してある封筒を見つけた。

─── あの男からの手紙だ・・・。

恐れと喜びとが混ざった感情が胸のうちを去来する。

私はこの数ヶ月来、ある男から脅迫されており、髑髏の封蝋のある封筒は、

その男からの脅迫状なのだった。


オペラ座に新しい支配人が着任するという噂が流れていた頃、

私はレフェーブル氏の部屋からいくばくかの小銭を盗み取ったことがある。

郷の母の具合が悪いという知らせを受け取って、何とかしてやりたいという気持ちからの

出来心だったが、心のどこかに不都合なことはみな『オペラ座の怪人』の所為になる

だろうという気持ちと、新しい支配人に代わってしまえば見つからずに済むという計算が

あったのも確かだった。


そして、それから数週間後、今は見慣れた、

けれど、その時は初めて見る例の封筒を受け取った。

「レフェーブル氏に関するおまえの秘密を知っている。秘密を明らかにされたくなければ、

今夜24時きっかりに調光室まで来ること」

誰からの手紙か見当もつかなかったけれど、私はそこに行くしかなかった。

それからというもの、私はあの男の言いなりに現支配人の愛人になり、男に言われるまま、

フィルマン氏の行動とか交友関係とかを報告している。


今朝、受け取った手紙には「いつもの時間、いつもの場所で」としか書かれていないが、

それは、今夜24時、調光室に来い、そこで集めた情報の報告をしろ、ということを

意味しているのだ。


24時、部屋のみんながようやく寝静まった頃、私はひとりで調光室に出掛けていった。

扉を開けると、すでに男が待っていた。

「遅かったじゃないか」と、いきなり責められる。

「最近、メグの寝つくのが遅くて・・・、出て行くところを見られて何か聞かれたら、

 困るのはあなたもでしょ?」

「ふふん、まぁ、いい。 それで? いつもの報告を聞こうじゃないか」

私はフィルマン氏と過ごしたときにあったことを詳細に報告した。

なぜ、この男がそんなことを知りたがるのかはわからない。

しかし、男はフィルマン氏がオペラ座の外でやっていることを逐一知りたがった。

なぜか知りたがるのはオペラ座の外のことだけで、中でのことは知りたがらないのだ。


報告が終わると、男は「上出来だ。次もこの調子でな。 ・・・では、これを」と言って、

百スー銀貨が十枚ほど入っているはずの革袋を差し出した。

それを受け取ろうと手を伸ばす。男がその手を掴んで言う。

「もうひとつの褒美は? 欲しいか?」

その言葉を聞いただけで足のつま先から全身に顫えが走り、身体中が熱くなる。


私が頷くか頷かないか・・・、その一瞬のうちに男が私の両腕を掴んで高く上げ、

そのまま壁に身体ごと押し付けられた。

その勢いで革袋が床に落ち、銀貨が硬い床材にあたる音が狭い部屋に反響する。

男の手で磔にされた私の二の腕を男の太い指が下から上へと這っていき、

その感覚に指の先まで甘い痺れが走る。

男の手が私の手首に到達すると、その手で私の両手を頭上で組ませ、

「私がいいと言うまで下ろすな」と命じる。

こんな命令に従いたくはないのに、私は腕を下ろすことができない。


男の指がふたたび二の腕に触れる。今度はゆっくりと下へと指を這わせていく。

その指を唇が追いかけるようにして這っていく。

自分の息遣いが荒くなっていくのがわかる。

ずり落ちた寝間着の袖がかろうじて脇のあたりでたぐまっているのを手で下げられ、

脇を舐められた。

「ああっ!」

思わず声が出てしまう。今まで我慢していたのに・・・。

男は舌を押し付けるようにして脇を舐め、もう一方の脇も親指の腹でゆっくりと揉まれている。

「うう・・・、あ、ああっ!」

我慢しきれずに声が洩れ、がくがくと膝を折って崩れ折れてしまいそうになる。

男がふたたび腕を掴んで壁に押し付けてくる。

「ふん、これだけでそんなになってしまってはな・・・、まだまだこれからだと言うのに」

男が口にした「これから」という言葉に身体の奥が甘く疼く。

そこから何かがとろりと流れ出すのがわかる。


ふたたび脇を押すように揉まれ、そうしている間にも、男の唇が首筋を這っていく。

脇と首筋とに与えられる刺激で、息が上がってくる。

息をするたび、胸が大きく上下し、胸が男の肩のあたりにあたってしまう。

「さっきからいやに胸を上げ下げしているじゃないか、触って欲しいのか」

男が首から顔を離しながら言う。

男の不躾な視線が胸の辺りに注がれている。

コルセットもつけずに来た自分の思惑を見透かされているようで、思わず目を伏せる。

男の「ふふん、」というせせら笑いが聞こえたかと思うと、胸を掴まれた。

「あぁ・・・ん」

待ち望んでいた愛撫に思わず声が出てしまう。

こんな男に胸を鷲掴みにされただけで嬉しそうな声を上げてしまう自分が惨めで堪らない。

なのに、もっともっと苛めて欲しくて、胸を突き出してしまうのだ。

男は鷲掴みにした乳房を押さえつけるようにしながらゆっくりと揉みしだいている。

男の大きな手の感触と、その手に乳房を蹂躙されているという思いが身体を熱くする。


と、ふいに乳首を摘ままれた。

「あっ! ああ・・・っ!」

「ここも触って欲しかったんだろう? なにしろコルセットもつけずに来たくらいだからな」

ああ、やはり気がついていたのだ・・・。

男に自分の恥ずかしい目論見を言い当てられ、なおさら身体が熱くなる。

男の指が薄い生地越しに乳首の先端を捏ねくりまわす。湧き上がる快感に腰がうねる。

乳首は硬くしこり、男の愛撫でさらに硬さを増していく。


「前を開けろ」

男の指が離れるのと同時に男の声が聞こえた。

目を開けると、男が寝間着の胸の辺りを顎でしゃくってみせる。

言われるままにボタンに手を掛け、ひとつずつはずしていった。

腹の辺りまではずすと、男の手が伸びてきて、寝間着をはだけさせた。

ついさっきまで布地越しに責めたてられていた乳房が露わになる。

脅迫者に弄られて硬くなってしまっている乳首を晒され、なのに、その酷薄そうな眸に

見つめられているだけで感じてきてしまう自分が恥ずかしくて、身悶えしてしまう。

「直に苛めて欲しいだろう?」

男がうそぶきながら乳房に手を伸ばす。

「腕を上げておけ、いいと言うまで下ろすなよ」

ふたたび腕を上げるよう命じられ、私はやはりその命令に従わざるを得ない。


男がゆっくりと乳房の感触を楽しむように円く揉みはじめる。

ゆったりと快感が頭をもたげてくる。

息が上がりはじめる。

男の指が乳首を摘まんだ。

「あぁんっ!」

布地越しとは違う、鋭い快感が突き刺さる。

「直だとやはりいいらしいな」

男の勝ち誇ったような声が聞こえ、乳首を摘まんだ指に力を入れるのがわかった。


乳首を摘ままれ、引っ張られては捻られる。

爪の先で引っ掻くようにこすられ、指の腹で圧し潰される。

「あぁ・・・、う、くぅ・・・」

あまりの快感に声が洩れ、涙が滲む。

「ふふん、泣くほどいいのか」

涙を目ざとく見つけた男にそう言われ、恥ずかしさのあまり気が遠くなる。

「もっと泣かせてやろうか」

好色そうに片頬を上げてみせる男の言葉に、身体の奥が甘い期待できゅんと疼いた。

男の両手が乳首を摘まみ、ぐりぐりとひねっては親指の腹で先端を撫でられる。

爪の先でこすられると、鋭い快感が湧き上がり、声が出てしまう。

時折、乳房全体を円く揉まれ、ほっとする間もなく乳首を捏ねくりまわされる。

続けざまに上がる自分の声が狭い調光室に反響している。

涙が幾筋も流れ、息も絶え絶えになった頃、男がこう言うのが聞こえた。

「腕を下ろしていいぞ」

ようやく許されて腕を下ろし、胸元を隠すように組み合わせると、男が、

「なにをいまさら・・・、さんざん嬲られて感じていたくせに」とせせら笑った。


「さぁて、こちらはどうなっているかな・・・」

男がそういいながら寝間着の前を割る。

身体の奥から流れ出したものによって用を為さなくなっている下着を見られてしまう・・・。

男の手が下着に掛ける。

片手で下着を剥ぎ取りながら、私の目を見てにやりと笑う。

ああ、その目で見ずともわかっているのだ・・・、私がすでに濡らしてしまっていることを・・・。


「脚を抜くんだ」

そう命じられ、膝まで下げられた下着から片脚を抜いた。

「触って欲しいんだろう? だったら脚を拡げるんだ」

そろそろと脚を拡げていく。

私の目を見据え、「いやに勿体ぶるじゃないか、私を焦らしているつもりか?」と男が問う。

男の手が私の右腿にかかり、あっという間に持ち上げられた。

膝裏に手を掛けたまま、私の拡げられた両脚の間に男のもう一方の手が近づいてくる。

中指が既に内側に軽く折られており、あの中指で秘裂をなぞられるのだとわかる。

身体の奥がいつかの指の動きを思い出し、期待に疼く。


男の手が両脚の間に挿しいれられた。思わずぎゅっと目を閉じ、

襲い掛かる快感を堪える用意をしてしまう。

しかし、男の指は私の陰唇の上に軽く触れたまま、いつもの快感をもたらしてはくれなかった。



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