金の指輪は私が地下で預かっていた。

「何時もはめていたいのに」

と拗ねてくれるクリティーヌを愛しいと思いつつも

少しそそっかしいところもある彼女なので、紛失の可能性も否めない。

それに何より未来ある歌姫としての将来の為に、特定の男性からの贈り物、まして指輪などは

普段は持つべきでない─と私は考えていた。

しかし此処でだけは、と地下のこの私の住処でだけはこの指輪を指にはめて欲しい、

お前の「描いている夢」の為には今はこうしておいたほうが良いのだよ、

と無理に納得してもらった。

そして私も揃えの同じ指輪を、そして2人で会う時だけ一緒にはめるのはどうだろう、

明日にでも同じような物を求めてくる、

と提案してみたら、それはとても素敵だと喜んでくれた。

そして今ここで、彼女の左手の薬指には、金の指輪がはまっていた。


ベッドの傍らに酒・果実ジュース・チョコレートに果物など、

好きな物を並べ時々つまみ食し、寝転がりながら私もクリスティーヌも一糸まとわぬ姿で1つの上掛けに包まり、

久し振りに2人きりの時間を過ごす。

「マスターの指を噛んだあの兎は元気にしているのかしら?鼻がピクピク震えてて可愛かったわ」

「今度会ったらパイにしてやろうと考えていたのだが、命拾いしおって」

話題はもっぱらスウェーデンでの思い出話だ。



子爵の話は、手紙のこと以来話題に上がることはなかった。

おそらく子爵との間でも私の事は話さないのであろう。


「隣のベッドの女の子にも最近素敵な恋人が出来たみたいで、それが貴族の方で…

あ、…マスターごめんなさい…」

「…いや、別によい。それで?」

「でもねその子、前からお付き合いしてる男性がもう1人居るのに良くないですよね。

もともと付き合ってた人ってすごく嫉妬深いんですって…オペラ座の人みたいなんですけど。」

「お前も大人になったものだな、友人の恋愛相談にのってやれるとはな。」

「いえ、まさか。ただ、嫉妬深い男性って魅力的だわって思いましたわ」

「…それはもしかして私の事かな?」

意味有り気にクスッと微笑むと、クリスティーヌはベッド横からブランケットを引き寄せ、

裸体に巻きつけながら体を起こし髪をかきあげる。



「…今度はいつ会える?」

「しばらくは、まだ…わかりませんわ…」

ジュースを飲む彼女の後ろからそっと抱きつき、唇を首筋に這わしながら、

下腹に、乳房に手を沿わせ撫で回す。

「あぁ…マスター今日はもう…もう許してくだ…お願い……」

先ほど彼女の花園を、本気で泣き出すまで散々舌と指で弄んでしまった。

あまりに執拗にいたぶり過ぎて赤く腫れ上がってしまい、

泣かなければ出血するまで嬲り続けていただろう。

きっと最後は既に快感などとは程遠いものだったに違いない。

「痛むのか?」

そっと手のひらを花園に当てる。

「え、ええ、少し…ああっ、いやっやめっ……うう、痛……」

人差し指と中指を交互に折り曲げ、こちょこちょとくすぐってみる。前から後ろへゆっくり、そっと。

片方の手は乳房を揉みしだき、時折乳首を、くりゅくりゅ、と摘まみ捏ねながら

まだ唇は首筋を漂っていた。

「はあっ…やめてっ嫌っ…あんっ……」

すぐにとろっと、指に濡れたものを感じる。


「次はいつこうして会えるかわからないのだぞ、……んん?」

まだ痛がるようなので茂みの中をまさぐり、時々何本か引っ張る。

後ろから下半身をゆっくりと押し付ける。

「うう…ん、ああ……」



「クリスティーヌ…教えてくれないか?」

「あぁマスター、え、ああ何を…?」


「…自分でしたりするのか?」

「!!……いっ、いや・・・、そんな事…」


「教えてくれクリスティーヌ、私を想ってするのか?」

「いや、そんな、そんな事聞かないで…ああん!」

「私はするぞ、クリスティーヌ……

  お前のここを想い出して…毎日……ん?」

指を蜜壷に入れると、くちゅっ、と部屋に響く。


「いやっ、嫌、そんな事、言え、言えな…ああっ…!」

「教えてくれ、頼む、クリスティーヌ」

「いやっ、いやっ!」

「見せてくれないか今、ここでし…」


「いっ、いやマスター…

          ……嫌い!」


一瞬、全身の血が凍りついたと思った。

息が、心臓が止まったと思った。

手を止め呆然とクリスティーヌを見つめていたら、彼女の顔がだんだんとぼやけて見えてくる。



私のこんな異様な様子を見て、クリスティーヌはハッと気がついたように、

「マスター、あの、違うの、その嫌いって言ったのは私がイヤなことをマスターが、…だって、

だって恥ずかしいこと聞くから…」

まだ呆然と固まっている私の両方の頬を包み、目に溜まった涙をそっと拭いてくれて、

内緒話をするように囁く。

「嘘よマスター……だいす…」

瞬間、私は彼女の唇を奪って、長い長い口付けを浴びせた。

逃げられないようにしっかり頭を捕まえながら。

「んんん……!」

苦しそうに呻きながら両手で私の肩や腕を叩く。

やっと唇と頭を開放してやると、

「マスター!ひどいわ、苦しかったわ」

「すまない、クリスティーヌ。もうお前が嫌がることは言わないよ。」

2人でしばし照れ笑いをした後、今度は優しい口付けを交わす。





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