66 :メグの罠 :2005/09/26(月) 12:11:23 ID:ie+PEAMu


深夜、メグは楽屋の鍵を持ち出し、足音を忍ばせながらドアを開けて中へ入っていった。

部屋の奥には縁に綺麗な彫刻が施された大鏡がある。

メグは内側から鍵をかけ、鏡の前まで歩むと、身に着けていた服を脱ぎ去り、

白いガーターとレースのストッキング姿になった……。


メグは長いブロンドの髪を上げたり下ろしたりしながら、自分の表情や肢体を映してみる。

肩のなだらかな稜線から続く白桃色の乳房は豊満で弾力に充ち、

胸の開いたドレスを着ると、プルンと飛び出してしまうのではないかと、

男たちの妄想を掻きたてさせずにはいられない。

しかし丸い乳房の中央にある乳首は簡単に摘み取れそうなくらい小さく、

ピンク色の乳輪も乳首をわずかに取り囲むようにあるだけだ。

バレエで鍛えた腰はくびれ、男の腕で簡単に抱えられるほど細い。

フワフワとした金色の柔毛を透かして、秘所に続く縦の溝がうかがわれる。

メグは後ろを向き、身を捩って自分の後ろ姿を眺めてみた。

テーブルに置いた燭台の灯りで、ほの暗い部屋に丸い尻とストッキングの一部だけが

白く浮かび上がる。二つの丘の上には可憐なビーナスのエクボがあった。


メグは横を向いて背を反らし、自分のラインを確認した。

丸く迫り出した乳房から下半身に続くドラマチックな曲線美は、

オペラ座の観客席を支えるどの女神像にも負けてはいない。

自分の姿はどこから見ても美しい……。

メグは左手で乳首をつまんでみた。ツン…と小さな欲望が芽生える。

あの夜、あの小部屋で見たふたりの淫靡な姿が目に浮かんだ。

逞しい肉体にこれでもかと苛まれていたクリスティーヌ。

嫉妬されながらも優しく大事にされるクリスティーヌ。

一方自分は……。

同世代の恋人とは逢えばせわしなく一方的に肉体を求められるだけの関係だ。

同じようなことをしていてもそこには造花と生花のような違いがある。なんだかもう、

恋人に誘われてもデートする気も起こらない。

メグはクリスティーヌを自分に置き換えて想像を巡らせていた。

“この体……、私だったら彼を、あのファントムをもっとよくしてあげられるのに…”

メグの右手はいつの間にか金色の茂みを分けて、

トロッと濡れた秘部と小さく硬くなった果実を弄っていた。




夕暮れのパリの裏通りには古いバーやカフェ、怪しげな絵を売る骨董店などが

いくつも建ち並んでいた。

二階が売春宿なのだろう、バーの前では厚化粧した娼婦たちが客を物色している。

細い路地には年増の売春婦に交じって派手な化粧をした男娼が立ち、

太い腕で通りがかった紳士を無理やり自分の店へと連れ込んだりしている。

酒瓶を片手にもって大声で歌いながら歩く男。酔いが回った男女が、

石畳をヨタヨタと歩きながらキスをしている姿も見える。

メグは噂に聞いた秘薬を求め、ショールで髪と顔を隠しながら

この狭く危ない一角をぐるぐると歩き回っていた。

酒や排泄物、香水などさまざまな物が交じったにおいがし、

ショールで鼻を押さえてもそんなにおいが入り込んで気持ちが悪くなる。

男に何度か腕を掴まれ、いきなり“いくらだ?”と訊かれもした。

それを振り切って走り、目的の店を探すメグは、恐怖と焦りで

泣きたいような気持ちになった。


“やっぱりやめようかな。こんな馬鹿げたこと……

でも、苦労して情報を掴んで、せっかく貯めたお金だってはたいて、

こんな所まで来たのよ”

メグは自分を励まして、とうとう目当ての店を探し当てた。

古ぼけたドアを開けると、意外にも香草のような香りがプンとした。

「あの、……どなたかいませんか?」

メグが暗い店の奥を覗き込むと、葡萄色のショールを纏った小さな顔の老婆が

ギョロッとした目でメグを睨み、大きく手招きした。




“こんなものが本当に効くの………?”

メグは真ん丸い目をさらに見開き、小瓶に詰められた茶色い液体を見つめ、

ため息をついた。

“マンドラゴラ、ミイラ、フグの内臓、一角獣の角、東洋のケシ、何とかというランの根

……あとは、何だったかしら?”

老婆は調合した秘薬の説明を長々としていたが、メグには何だかよくわからなかった。

変なにおいがするが、これをショコラに混ぜると不思議ににおいも味も同化すると言って

いた。飲むと数時間は半覚醒状態になり、身体があまり動かない。

しかし肉体への欲望だけは止まらなくなるという。

そして薬から覚めると前後の記憶が一切失われていると……。

「こちらはただの眠り薬だよ。これを飲んだら一晩は起きられないね。

……おやおや、お前さんの目に白いマスクの男が見えるよ。…ククッ、

いいさ、もっと貪欲におなり。ククッ………」

不気味にほくそ笑む老婆に心を見透かされ、ドキッとしたメグだった。




メグはあの小部屋でクリスティーヌとファントムが次に逢う約束をした日を

聞き漏らさなかった。

その夜、ベッドに入ろうとするクリスティーヌをメグは呼び止めた。

「今日、おいしいショコラを貰ったの。一緒に飲まない?疲れもとれるわよ」

「ほんとう!嬉しいわ、メグ。ありがとう!」

クリスティーヌは親友の好意に感謝し、何の疑いもなく眠り薬入りのショコラを飲んだ。

“ごめんね、クリスティーヌ。でも今夜だけあなたのマスターを借りたいの、今夜だけ”


真夜中、メグはかねてから用意しておいた栗色のウィッグを着け、

バスケットにポットとカップを入れて持ち、ファントムが待っている小部屋へ向かった。

ポットには秘薬入りのショコラが入っている。


メグは部屋のテーブルにポットと手紙を置き、タペストリーの裏にある隠し扉を

軽くノックし、急いでその場を去った。

「クリスティーヌ、お入り」

ファントムはノックを聞いて呼んだが、クリスティーヌはなかなか入ってこない。

変に思い、扉を開けてみた。

クリスティーヌの姿がどこにもないのを不思議に思いながら、

彼はテーブルの上のポットと手紙に気がついた。そしてそれを持って

また隠し部屋へ戻っていった。


〜 愛するマスター 

私は今日、急に体のリズムが狂ってしまいました。

もし、マスターに触れてしまったら、自分が抑えられなくなりそうで恐いの。

だから置手紙する私を許して下さい。

おいしいショコラが手に入りましたので、どうぞ召し上がって下さい。  

クリスティーヌ 〜


「抑えなくてもよいのに…おまえが望むなら。…そうか、仕方がない。でも、寂しいよ」

ファントムは手紙を読み、軽くため息を吐いた。

「ショコラか、クリスティーヌも可愛いことするな……」

ファントムは微笑を浮かべてポットからショコラを注ぎ、

クリスティーヌのことを想いながらひと口、またひと口と飲んでいった…………。




メグはしばらく経ってから、そおっと部屋に戻ってみた。

裏に隠し扉があるタペストリー越しに耳を澄ますと、何やらファントムの声が聞こえる。

扉の隙間を開けて覗くと、彼はベッドに仰向けになり、うわ言のように何かを言っていた。

メグはもっと開けてみたが、ファントムはまったく気付く様子がない。

彼女は思い切って中へ入った。


“ファントム!!”

その姿を見てメグは驚いた。

彼は額に汗を浮かべ、顔を左右に振りながら苦しい表情で何度もうわ言を言っていたのだ。


「……ママ、僕を見て。キスしてよ、ママ。……愛して、お願い、僕を…」

呟くように喋っていたかと思うと、

「うっ!……ああっ!……もう嫌だ、いつか、いつか殺してやる!あんなやつ」

激しい口調で憎しみの言葉を吐いている。

傍らのテーブルにはショコラを飲み干した跡があった。

どうやらファントムはあの秘薬のせいで意識が混濁し、譫妄状態に陥ったらしい。

彼の意識は実の母から忌み嫌われたり、見世物小屋で過ごした少年時代に飛んでいる。

胸の奥深くに閉じ込めていた過去のおぞましい記憶が現れてしまったようだ。


そんなことは知るよしもないメグは思いもよらない事態に戸惑った。

「嫌わないで…ママ……」

ファントムは涙を流し、記憶の底にいる母親に訴えている。

“…かわいそうに。きっとすごく悲しい夢をみているのね……”

メグは思わず彼の頬に手を当て、涙と汗で貼り付いた髪をかき上げてあげた。

その瞬間、彼のうわ言は止み、瞼が半分開いて涙に濡れた瞳が覗いた。

しかし、その瞳は定まっておらず、ぼんやりとメグを見つめている。


「…クリスティーヌ……」

ファントムは目の前にいるメグに呼びかけた。

「クリスティーヌ、来てくれたんだね」

急に嬉しそうな顔になったファントムに、メグはためらいながら頷いた。

「キスをしておくれ、クリスティーヌ」

メグはファントムの言葉に半分破れかぶれになってキスをした。

“ああ、私はとうとう……”

メグは一瞬後悔したが、ファントムが舌を入れて来たのでそれに応じると、

迷いが吹っ切れた。




メグはファントムから唇を離すと、ベッドに上がり彼の横に寝た。

そして太い首から胸にかけてキスを滑らせていき、白いフリルシャツの胸元に手を入れた。

ファントムは夢うつつの状態でなされるがままになっている。

メグはファントムの胸元をはだけさせ、胸毛に被われた乳首を舌でチロチロと舐めた。

「ぅ……」

ファントムは思わず小さな声を洩らした。

メグは小鳥のような舌を胸から腹へ這わせていった。

「クリスティーヌ、今日のおまえはなんだか違うね、ああ…いいよ」

それからメグは着ていたドレスを脱ぎ、下着の胸ボタンを外した。

ボタンを外したとたん、押さえられていた乳房が勢いよく飛び出すのが

ファントムから見えた。

“おお、クリスティーヌ……”

成長したなぁ、とぼんやりと感じたファントムだった。

メグはファントムの腹に馬乗りになり、彼の手を取って自分の乳房へ導いた。

そしてそのまま上体を倒し、たわわな乳房をファントムの顔に近づけてきた。

長いウィッグでメグの顔はほとんど隠れている。

ファントムはスベスベと柔らかく弾む乳房に思わず頬ずりし、小さな乳首を口に含んだ。

「あぅっっ……」

メグはつい声を出してしまい、ハッとした。

しかしファントムは何も気がついていないらしい。メグの乳房に交互にむしゃぶりつき、

乳首を甘噛みしたり、舌の先でコロコロと転がしたりしている。

「…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

メグは声が出そうになるのを必死で堪えた。

メグの乳首はファントムの口の中で固く真ん丸くなり、ファントムはその変化を楽しんでいるようだ。

「ああ、いいな。もっと押しつけてくれ」

ファントムはメグの乳房とは知らず、目を閉じてうっとりと呟いた。

メグはたわわな両乳房でファントムの顔を挟むように押しつけた。

ファントムの手がメグの下半身に伸び、下着を脱がそうとしている。

それに気がついてメグは自ら脱いだ……。


メグはファントムのスラックスを脱がそうとすると、大きな手が彼女の手に伸びた。

「だめだよ、クリスティーヌ。そんなことは」

ファントムは“いつもと違うクリスティーヌ”をたしなめた。

しかしファントムはそれ以上力が入らない。

メグはかまわず膝のあたりまで脱がせてしまった。

すでに屹立したファントム自身は臍まで太く伸び、亀頭がテラテラと光っている。

“ああ…、これがファントム。クリスティーヌを悦ばせたファントムなのね!”

メグは硬い肉柱に頬ずりをすると、根元に手を添え、

そこからカリまでツツツツッ…と舐め上げた。

「ううっ!」

ファントムは快感と驚きで呻いた。

それからメグはカリの周囲をグルッと舐めまわした。

「クリスティーヌ、そんなこと…どこで覚えたんだ。やめなさい、やめるんだ……」

ファントムはかつて一度もクリスティーヌにそんなことはさせなかったし、

クリスティーヌもしようとしなかった。





ファントムは、はだけた白いシャツだけの姿になり、“やめてくれ”とは言うものの

メグが繰り出す舌戯に悶えている。

メグは右手で肉柱をしごきながら、亀頭を咥えて舌で先端をくすぐり、左手で嚢を転がす。

“ああ、違う、これはクリスティーヌではない。これは一体、私はどうしたというのだ”

ファントムはクリスティーヌではないと分かっているものの、

それを強く拒む気持ちが出てこない。

拒絶の気持ちは頭の片隅に追いやられ、ただただこの快楽を味わうことが優先されている。


メグは左手で嚢を軽く揉んだり、口に含んで転がしたりし、舌で嚢の境目を舐め上げた。

「ううっ!」

ファントムは思わず腰を浮かせた拍子に身体を離した。


「…誰だ? ……私に、何を飲ませたんだ?」

錯綜する意識のなかで必死に気持ちを手繰り寄せ、ファントムは自嘲気味に尋ねた。

「大丈夫、命に危険はありませんわ、先生」

メグは小悪魔的な唇を舐めながらしらっと言ってのけた。

「メグか……、…クリスティーヌは?!ああ、彼女はどうしている?」

「彼女は眠り薬で今頃夢の中よ。今晩は起きないわ。そんなことより先生、

今だけは彼女を忘れて私と楽しんで」

メグは栗色のウィッグを外すと、束ねたブロンドの髪を解いてひと振りした。


「……だめだよ…メグ」

ファントムは気持ちを保ちつつ、やっと言った。

「フフッ、だめだなんて、先生。ウソでしょう、ここはさっきからOKって……ほら」

と言いながら硬く屹立しているファントム自身を根元から先端まで舐め上げた。

「やめろ……ぁあ!」

「やめないわ」

メグは舐めながら上目遣いで言った。

「先生が目覚めたら今起こっていることは全て忘れている、そんな薬よ、

だから、心配しないで、先生」

「…お願いだ。…やめ…てくれ」

「フフッ、いやっ」

「…メグ、おまえは平気なのか?…お前は、愛されてもいない男にこんなことを……」

痛いところを突かれ、急にしょげそうになったメグだったが、

「……………いいのっ。そんなこと…」

それは初めから承知している。彼が愛しているのはただひとり、クリスティーヌだ。

「メグ、おまえは……かわいそうな…女だ」

メグはその言葉は聞かなかったことにして、さらにファントム自身に愛撫を続けた。

ファントムはまた夢うつつの状態に戻ってしまった。




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